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新 年 の ご 挨 拶 |
もとゆに会 会長 奥谷恭次 |
新年明けまして、おめでとうございます。明るいおめでたい話で、年頭に臨みたいところです。しかし、世間には息の詰まるような問題が山積しています。 東日本大震災と原発事故は、大きな傷跡を残したまま復興の緒に就こうとしています。一瞬にして被災された方々、一瞬にして加害者になってしまった東電とその社員。 4000億円超の赤字になりそうな大電器会社、ギリシャに端を発したユーロ圏経済不安、どれも安穏で順調と考えていたものが一寸先は闇となった現実です。誰が想像できたでしょうか。 円相場高騰は輸出品目を国内で生産することを困難にし、解として、海外に出て行かざるを得ない製造業の現実、それに起因して生じる雇用の海外流失。製造現場の合理化と自動化の進行は必然ですが、副作用で雇用の減少となって若い人たちの職場を減少させています。 新聞によれば、日本の国内総生産に占める製造業の割合は3割を切ったそうです。また過去20年間で製造業の雇用者数は570万人減少、今後10年で更に400万人減ると報じています。 近所に新築される家を見ても、部材全てが工業規格製品で、工場でモジュールにまで加工されています。建築業が現場組み立て産業に変貌しています。普請場の鉋の音、かんかんと木口を叩く軽快な音等も懐かしい音になりました。その住宅産業の新築戸数が年間80万戸とピーク時の半分だそうです。若い人達はどこに職場を見つけられるのでしょう。 われわれが過ごしてきた情報産業でも、SI業はシステム設計とモジュール組み立て調整業に姿を変えて来ました。インドやベトナムでシステムモジュールまで作り、日本で組み立て調整するスタイルが台頭していると聞き及びます。SIを始め、土木、交通、情報通信、食品産業すべてが巨大化し、一つ狂えば皆狂う怖さが付きまとっています。しかも世界的に瞬時に拡がる怖さを兼ね備えています。一行のコーディング・エラーが新幹線を麻痺させたり、航空管制を狂わせたり、銀行ATMを処理不能に陥れたりしています。 『人が作ったものは人によって壊される』、更に『万物無情』物は絶えず劣化し自然に還ろうとします。朽ち果てる輪廻、故に原発は破裂するのです。人は成老病死、原発も加齢とともに疲労故障破裂と進みます。短絡的でしたが、原発事故直後は騒ぎすぎとも思い、日本は原発推進やむなしと思いました。引き続き報道される惨状と後処理の難儀さを見れば見るほど、原発は順次終焉させざるを得ないの思いに至りました。 なぜなら、何をするか想定不可の隣国が保有する弾道ミサイルの飛来、無人操縦飛行機をテロリストが持つ可能性、日本海に出没する不審船からの直撃等を考えた時、これらを原発安全運転の想定内に組み込まなければならないとすると、どんな対応が可能でしょうか。原発立地で、これらを排除できる条件を備え、経済的に適正で安全な場所は見当たらないと思います。 爆発にも耐え、テロにも耐えうる高深度地下原発なども考えられるのかもしれませんが、地殻変動で放射能が地上に溢れ出ることも想定するのかしないのか。隕石が落下して直撃する確立まで織り込んだりするなら、ただただ呆然としてしまいます。素人の妄想で杞憂にすぎないかもしれませんが、かたやでパンドラの箱を開けようとしているのかもしれません。 年初から物騒なメッセージでご不興でしょうが、今こそ政治がしっかりしてほしいのです。チャーチルが言ったそうですが、『民主主義は最悪の政治形態ということが出来るが、これまで試みられてきた民主主義以外の政治形態を除けば、だが』と、民主主義をもどかしがっていますが、肯定しています。 あまりに国情の混沌が長引き、退潮が顕著だといらいらしてきます。今は誰が舵取りをしても難しいときです。国民がしっかり野田首相を支持し、この混乱と混沌の中に進路を定めて、少々の迷走に喚かずに乗り切って行こうではありませんか。 どうか皆様、この一年お元気でお過ごしください。 |
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